ファイルサーバ上の散在する無数のファイル。このままではいけない。整理しよう、と、ファイルサーバの管理者・あるいは業務の管理者ならば必ず思うはずです。しかし、文書の整理は簡単ではありません。
身元不明のファイルがあっては、整理ができません
ファイルサーバの整理の手始めに、まずファイルを分類したり、不要ファイルを削除したりしようとすると、早速、身元不明のファイルが発見されます。身元不明のファイルとは、以下のような特長のいくつかを持っているファイルです。
- ファイル名から内容や目的が類推できない
- 何時、誰が、何の目的で作成したのかが不明
- 一時的に作成された作業ファイルなのか、長期保存すべきファイルなのかが不明
- 最終的な成果物なのか、推敲の途中の中間成果物なのかが不明
- 内容が、正しいのか・誤りを含むものなのかすら不明
- どのアプリケーションで作成されたのかが不明で、ファイルを開くことが出来ない
こういう場合、作業ファイルであったと見なして、時間の経過をもって身元不明のファイルは一律に削除するのが合理的でしょうし、消されても文句は誰も言わないはずです。しかしながら、中には「消さないで残して欲しかった」と誰かが言い出すファイルもあるかもしれません。この可能性をさらにゼロに近づけたいと、思いませんか?
ファイルに説明や属性をつければ、再利用率が高まります
身元不明のファイルは容赦なく削除するという運用を軌道に乗せるには、将来の再利用を見込むファイルには、そのための「手がかり」を残す必要があります。たとえば、以下の方法が有効でしょう
- ファイル名をわかりやすくする。(「新規ドキュメント1.doc」のままにせずに、「20070406○×商会提案書Ver.2.doc」の方がわかりやすい)
- ファイルに属性を付ける(重要度・保存期限・責任者・プロジェクト・顧客などを、属性として付与すると、後々になって関連するファイルを検索しやすくなります)
- ファイルに説明をつける(写真画像やプログラムなどは、説明文を付加して管理しないと、後でその内容・意義が不明になってしまいます)
こうした手がかりを残すことで、再利用の可能性があるファイルを誤って削除する恐れもなくなりますし、もちろん再利用時にも目的のファイルが見つかりやすくなるのです。
今までの共有フォルダでは属性付けが不十分
ファイルに説明や属性をつけるメリットは、おわかりいただけたと思いますが、従来のファイルサーバでは、上記の三つのうち、Windows・エクスプローラで可能な操作は、ファイル名の変更だけでした。そのため、こんなことが起きてはいなかったでしょうか?
- ファイルに属性や説明文を付けられないので、極めて長いファイル名を使用しなければならない
- まとまった数のファイルを管理するために、Excelワークシートでファイル一覧を管理しなければならない