多様な人材が集まるグローバル企業のデザイン統括部門。製品のデザインだけでなく、リサーチや研究開発、ビジネス提案にも役割の幅を広げ、製品やサービスの開発段階から様々なかたちで参加することで、自社の方向性や活動と製品やサービスとが結びつくように取り組んでいます。
導入前の課題
もともと国内外の拠点間は通信ネットワークを結び、共有のファイルサーバーに接続できるような環境を整えていました。しかし、数千に及ぶ製品数や通信回線の環境、ユーザーの使用する端末の違いなどの理由により、快適なファイル共有環境を実現できていませんでした。
ファイルサーバーでは、製品ごとにフォルダ分けして関連ファイルを保存していますが、フォルダ名が英数字のみから成る製品番号になっているため、一見しただけでは何の製品のフォルダか判断できず、製品名を知っていても製品番号を知らなければ製品情報にたどり着くことができません。また、1つのフォルダの下に数千の製品別フォルダが一律に配置されているため、似たような英数字の製品番号群から目視で目的のフォルダを探すのは、なかなか容易なことではありません。
製品フォルダに辿りついても、関連ファイルの中から目的のファイルを探すことにも手数がかかります。ファイルを開かないと内容が分からないため、似たようなファイルが複数あると1つずつ開いて内容を確認しなければなりません。ファイルサーバーと物理的に遠い地域では通信環境も影響し、ファイルを開くのに時間をとられることも少なくありません。また、WindowsとMacの端末が混在する環境のため、OSの互換性によるファイル表示の問題もありました。
FileBlogに決めたポイント
本部門における製品関連ファイルは数百万個もあり、これらを別のシステムに引っ越しさせて新たに共有環境を構築することは現実的ではないことから、既存の共有ファイルサーバーの運用ルールを大きく変えずに、検索性を向上させることでファイル共有環境を改善していく方針をとりました。改善の目的は、ファイルサーバーを活用してファイル共有を円滑にする(目的のファイルに効率よく到達できるようにする)ことです。自社のファイルサーバー共有環境に適した検索システムについての検討・調査を進め、ファイルサーバー検索に対応するいくつかの製品の中からFileBlogも候補にあがりました。
最終的にFileBlogに決めた理由は軽快感と値ごろ感です。
動作の軽快感
製品選定の初期段階において、実際のファイルサーバー環境で評価用プログラムを利用してFileBlogのフル機能を試すことができ、効率的に製品評価ができました。プログラムはWebサイトから誰でもダウンロードでき、セットアップもそれほど難しいものではありません。
FileBlogはWebブラウザで使用します。Windowsエクスプローラに類似した画面で、ファイルサーバーのフォルダ階層を表示し、WindowsユーザーもMacユーザーも直感的に操作できます。フォルダ階層を辿ることはもちろん、キーワードによる全文検索もでき、わずか1、2秒で検索結果の応答があります。
製品番号別フォルダに製品名の属性をつけ、製品番号と製品名のどちらでも検索できるようにしました。もちろん全文検索でファイルを直接探すこともできます。ファイル一覧はサムネイルで表示されるので視覚的に判別でき、ファイルを選択すると全ページをプレビューできるので簡単に内容を確認できます。端末にMS-OfficeやAdobe Illustratorなどのアプリがインストールされていなくてもプレビューできます。
これらの動作の一つ一つがとても軽快です。
製品の値ごろ感
FileBlogは、年間ライセンスと売り切りライセンスが用意されており、だいたい5年間使用すると、総体的な費用は売り切りライセンスの方が少し下回り、年間ライセンスは初期費用が安価でとても魅力的です。
また、以下のことから検討、構築、開始、定着までを短期間で実現できることが見込め、コスト抑制の期待もできます。
- 既存のファイルサーバー環境の変更が不要
- 既存環境に後付けでテスト環境、本番環境の構築ができる
- ユーザー管理がActiveDirectoryと連動する
- パッケージシステムなので構築が容易
- WebシステムなのでクライアントPCはWebブラウザがあればよい
- 操作が直感的にできるのでユーザー教育の時間も少ない
- 操作メニューが英語表記に対応しているので容易にグローバル展開できる
利用イメージ
導入効果
Web接続により通信速度のストレスは大幅に軽減され、国内外の拠点からも同じように軽快にファイル共有環境に接続できるようになりました。キーワード検索やファイルプレビューにより、最短距離で直ぐに目的のファイルまで到達できるようになり、予め製品番号を調べたり、人にファイルの在りかを尋ねたり、繰り返しファイルを開いたり閉じたりして探すことなど、これまで非効率的と思われてきたことは極めて少なくなりました。WindowsだからMacだからという端末による制限もなくなり、とても円滑にファイル共有環境を利用できるようになりました。