地域に密着した事業活動の推進を理念に掲げる地方金融機関。様々な金融サービスやソリューションの提供による事業者支援と個人顧客の豊かな生活への後押しを事業の柱に、地域活性化を目的とした社会貢献活動などにも積極的に取り組んでいます。

 

導入前の課題

金融機関の窓口・バックオフィスの業務では、様々な業務マニュアル・文書フォーマットの共有が行われています。サービスレベルや業務レベルの標準化、コンプライアンス強化のために、規定や定型文書、業務通達を効率的に共有できるようにしています。

以前より、組織内の文書共有の仕組みとして、文書公開と文書検索の2つのシステムを組み合わせて運用してきました。文書公開システムがファイルサーバーの特定フォルダをイントラネットにWeb公開して専用ビューアで文書閲覧できるようにし、そこに別の文書検索システムを連携させて文書を探すという仕組みでした。

文書公開システムはメーカーの開発・販売が終了してしまったため、保守サポートを延長して運用を継続してきました。しかし、ITインフラ基盤の刷新を進めていくなか、既存システムでは新しい技術に対応していくことが困難となり、保守サポートが完全終了するタイミングで文書共有の仕組みも刷新することになりました。

新しい運用ルールでは、イントラネットへの接続にGoogle Chromeを使用することになりましたが、窓口業務では古くからある基幹システムへの接続を伴うためInternet Explorer 8の使用が必須であり、新しい文書共有・検索の仕組みには最新のWeb技術への対応と旧環境のIE8への対応の両立が求められました。

 

FileBlogに決めたポイント

既存の文書共有システムはファイルサーバーをWeb公開する方式でしたが、文書共有や文書管理と謳っている多くの製品はデータベースシステムに文書を登録する方式であることから、この2種類の方式の製品から文書共有システムの選定が進められました。

使い易さや運用コストはもちろん、ChromeとIE8との併用に対応できるとシステムとして、ファイルサーバーのWeb公開方式であるFileBlogと、文書をデータベースに登録してWeb公開する方式の他社製品の2つに、最終的に絞られました。既存環境では別システムであった文書検索の機能は、どちらにも標準機能として備わっています。

FileBlogは既に最新のChromeに対応していたので、専用のテストサイトを直ぐに公開し、お客様に機能を試してもらってフィードバックが得られるような体制をとりました。FileBlogではIE8のサポートは終了していましたが、機能制限やAdobe Readerと連携させることにより、Chromeでの動作と同様のことができるようにカスタマイズすることで解決しました。もちろん、カスタマイズ仕様もテストサイトに直ぐに公開して試してもらいました。試行とフィードバックのサイクルを繰り返すことにより、運用やサポートレベルのイメージをもっていただき、FileBlogの満足度や信頼感の向上につながったと思います。

 

システムイメージ

窓口業務ではIE8で、バックオフィス業務ではChromeでFileBlogに接続してファイルサーバーの検索・閲覧システムとして利用。

 

導入効果

FileBlogは以前のシステムと同じファイルサーバー公開方式のため、新たに文書共有システムに文書を登録するという手間はなく、リプレイスはスムーズに進みました。データベースがないため、バックアップ環境の構築や運用にかかるコストも小さくて済みます。

以前は、文書の公開も検索用のインデックス登録も、定期処理が実行されるのを待つか、管理者が手動で実行するという運用で、文書が登録・更新されてから利用者が共有するまでに大きなタイムラグがありましたが、FileBlogでは文書の変更を即時に検知して自動的に公開・インデックス登録が行われます。ポータル機能によって更新文書が画面に最新情報として表示されるようになり、文書の共有性が向上し、業務効率の改善に役立っています。Windowsエクスプローラに似たUIは操作が簡単で、以前よりも使い勝手がよくなったと利用者からも好評です。

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