日進月歩で新しくなる技術の調査・研究を行い、普及活動に努め、関係者の技術向上および業務環境の良質化を目的として設立された業界団体組織。団体会員数約500社、個人会員数約2万名を誇り、国際機関との橋渡しも担う歴史ある組織です。

導入前の課題

100年以上も前から団体が発行してきた技術文書や会報、会員が発表してきた論文等の文書をデータベース化し、アーカイブシステムとして会員にWeb公開しています。長年にわたりアーカイブシステムの開発会社に運用やメンテナンスを依頼していたところ、その開発会社が廃業となってしまい、これまで依頼していた業務を自分たちで行うことを余儀なくされました。なんとか別のシステム会社に運用とメンテナンスを依頼することができ、安定的に会員にサービス提供を続けられようになりましたが、古いシステムでは効率的な運用はできず、メンテナンスコストも大きく、このまま継続するのは難しい状況となってしまい、システムの刷新が避けられなくなりました。

刷新するにあたり要件を大きく4つに整理しました。

第一に、簡単に文書登録・公開できるようにすることです。1ページにつき1つのPDFファイルをデータベース登録してページ連携を調整し、複数PDFファイルを1つの文書として見せなければならず、非効率な作業でした。

次に、体系だったカテゴリーを構成することができ、検索機能があることです。カテゴリーは大項目・中項目の2分類しかなく、新着文書も一目でわかるようになっておらず、検索機能も弱いので文書を探すのは簡単ではありませんでした。会員は決して使い勝手の良いシステムとは思っていなかったでしょう。

そして、メンテナンスが容易で持続的なメーカー保守を受けられることです。何かあると業者に依頼して診てもらわなければならず、その間はサービス提供が滞ったり、費用が発生したりしていました。システムを維持して会員へ継続的なサービス提供を行うには、メーカー保守も欠かせません。同じことが起こらないようないよう安定的なメーカー・製品を選択することは必須です。

最後に、低コストであることです。組織運営は会費で賄われているため、なるべくコストを抑えるに越したことはありません。

選定ポイント

開発費用が不要なパッケージシステムを採用することでコストを抑えることにしました。Webサービスとして文書公開ができ、文書登録・公開の手順が簡単で、かつ検索機能を持っている製品を探しました。

次に、沢山の文書を体系的に見せることができるように階層構造を構築でき、階層をたどるだけで仕分けされた文書を一覧できることと、属性機能が充実している製品に絞りました。登録済みの属性値を引き継ぐことができ、属性も検索できる機能を考慮しました。

慣れているWindows OSで稼働することと、管理者とユーザーの双方にとって分かりやすく操作しやすい画面であることを重視し、製品の販売年数や導入実績などを材料に安定性も検討しました。

選定の結果、FileBlogを採用することに決定しました。カスタマイズ不要でパッケージ標準機能のままで導入できるのは、コスト面でとても有利です。選定要件を満たすことは必須ですが、製品デモンストレーションの段階から導入後を想像できるようなシンプルで使い勝手がよさそうであると認識できたことが決め手となりました。

導入効果

文書の公開がとても簡単になりました。以前は登録方法が複雑で業者に依頼しないと文書登録できなかったのが、FileBlogでは画面上でフォルダを追加してPDFファイルをドラッグ&ドロップするだけで登録でき、直ぐに閲覧可能な状態になります。文書は自動的に検索インデックスに登録され、検索できるようになるまでわずか数分です。

文書を探しやすくなったとユーザーに好評です。以前はカテゴリー、文書タイトル名、属性情報で検索しないと文書を絞り込めなかったのですが、キーワードで直感的に文書内容も含めた検索ができるようになりました。また、検索しなくとも細かく仕分けされたフォルダ階層をたどることで文書を一覧しながら探すこともできるようになりました。

マルチブラウザ対応になったのでスマートデバイスからも閲覧できるようになり、ユーザーの利便性も向上しました。

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