フランチャイズ本部がAWS上で情報共有ポータル刷新 - 株式会社LIXIL住宅研究所

住宅フランチャイズチェーンのLIXIL住宅研究所は、加盟店との情報共有システムの利便性と運用性を高めるためFileBlogを導入しました。Windowsエクスプローラのような誰でも使える操作性とフォルダ表示が自由にカスタマイズできる機能を兼ね備えた情報共有ポータルをファイルサーバー上に構築しています。情報共有のスピードが増し、管理者の運用負担も軽減されたほか、加盟店の利用率もアップしました。

概要

「アイフルホーム」、「フィアスホーム」、「ＧＬホーム」の３ブランドの住宅フランチャイズチェーン（FC）を全国に展開するLIXIL住宅研究所。商品開発、宣伝、マーケティング手法などを本部で構築し、加盟店にそのノウハウを伝えていくというFCシステムを業界に先駆けて導入した、LIXILの一員としての中核を担う住宅会社です。

同社では、約200店にのぼる全国のFC加盟店へのサポート強化の一環として、商品や資材などの最新情報およびマニュアルや価格表などの重要資料を提供する情報発信・ファイル共有プラットフォームを、FileBlogを用いて刷新しました。AWS上に構築された本プラットフォームは、アイフルホームの加盟店向けにリリースされて順調に利用が進んでおり、他のブランドへの展開も検討されています。

導入前の課題：文書の登録・削除が面倒で整理整頓が進まず、必要な文書が見つからない

Excel上の図面管理台帳が肥大化、属性情報のファイル検索ソフトへのインポート作業が煩雑に

LIXIL住宅研究所では従来、アイフルホーム加盟店への情報発信と共有に文書管理システムを利用していましたが、製品仕様の問題で文書格納フォルダの登録や削除、移動といった基本的な操作もシステム管理者にしか実行することができませんでした。そのため、情報を取り扱うFC本部のスタッフがフォルダの登録・削除・移動を申請してシステム管理者が実行するという手順を取らざるを得ず、加盟店に対して迅速に情報伝達できないという課題を抱えていました。

登録や削除などが簡単にできない中で、年々増え続けるファイルの整理整頓が進められず、製品の検索機能の脆弱さもあって必要なファイルがなかなか見つからないという問題もありました。見つかったとしてもファイルが開くのが遅くて困るという声も、加盟店から寄せられるようになります。さらには、トップページの編集などのカスタマイズ機能も十分でなく、加盟店における使いやすさの改善に取り組むことができませんでした。

FC本部のシステム管理を担う情報戦略部の小柳ゆう子氏は、当時の状況を次のように振り返ります。「従来の文書管理システムは導入から約15年も経過しており、本部の運用性と加盟店の利便性の双方で課題が積み重なって、新しいシステムへの移行が待ったなしの状況でした。加えて、オンプレミス環境のサーバーも老朽化して時々ダウンするなど性能的にも限界が見えていましたので、加盟店の皆様にタイムリーかつ確実に情報を届けるために、より簡単に情報を公開・共有できる新しい情報基盤の構築に踏み切ることにしました」

導入のポイント：誰でも簡単に使える操作性とカスタマイズの自由度の高さ

既存の属性情報をそのまま活用、フォルダ管理とフリーワード検索で慣れ親しんだ操作感も継続

こうした課題を解決する目的で、アイフルホーム加盟店向けの新しい情報発信・ファイル共有プラットフォームとして採用されたのが、ファイルサーバー全文検索システムのFileBlogです。小柳氏はFileBlogを選択した理由を次のように説明しています。「まず、Windowsエクスプローラのような慣れ親しんだ操作性です。本部が情報を公開する際は、ファイルをドラッグ＆ドロップするだけで完了できます。また、FileBlogのポータル機能を利用することで、従来システムで懸案だったトップページのフォルダ表示が自由にカスタマイズできるようになり、加盟店に対してより的確で柔軟な情報伝達が可能になる点も高く評価しました」

FileBlogを活用した新しい情報基盤は、「アイフルホームライブラリー（Eyefulhome Library）」と名付けられ、導入準備が開始されました。同時に、情報戦略部と本部のスタッフでアイフルホームライブラリー活用委員会を発足し、これまでに蓄積された全てのファイルについて約半年かけて徹底的な整理を行います。FileBlogへの移行を契機に、従来システムでは手が付けられなかった不要ファイルの削除を実行し、ファイル量を3分の1程度にまで圧縮しました。FileBlogの稼働環境は運用性とコストの観点からAWSを利用することになり、いったんテスト環境を社内に構築してフォルダ構成を作成した上でファイルを格納し、完成したものをAWSに移すことで本番稼働が開始されました。

小柳氏は、「とにかく簡単に始めることができました。FileBlogはシステムに詳しくなくても簡単に扱うことが可能です。実際に、仮のフォルダ構成を作って、それを本部のスタッフに伝え、必要なファイルをそれぞれ格納してもらい、できあがったら一気にAWS上のFileBlogにコピーするだけでスタートできました。準備の段階で想定していなかった要求も出てきたのですが、鉄飛テクノロジーの素早い対応もあって迅速に解決できました。どんなことでも反応よく回答してくれるサポート体制も、スムーズに準備・公開できた大きな要因です」と語っています。

導入効果：加盟店への情報発信がスピードアップ、システム管理者の運用負担も大幅軽減

図面管理台帳もシステム化、運用管理の業務負担が大幅に改善

アイフルホームライブラリーは、週一度の頻度で商品や資材、保証などの最新情報を提供する発信系と、フランチャイズ規定や各種マニュアル、価格表、発注書などの文書を随時更新する蓄積系の2系統で順調に活用が進んでいます。

小柳氏は、「従来システムではフォルダ作成から削除に至るまでシステム管理者しか実行できませんでしたが、新しい仕組みでは本部のスタッフが各自で直接できるようになり、情報発信のスピード感が以前とは全く違います。ファイルの整理整頓もすべて本部のスタッフに任せられるので、システム管理者の運用負担も大幅に軽減されました」と語り、FileBlogの操作性を高く評価しました。そのほか、検索の方法がわかりやすいように各ページに注意書きを追加したり、提出期限付きのファイルには〆マークを付けてトップページに表示したりと、自由にカスタマイズして利便性を追求しています。

加盟店の評判も上々です。「アクセスログを解析したところ、利用率が確実にアップしています。加盟店へのアンケートでは、利用者が増えるにつれて、以前のシステムに比べて使いやすくなったという声が多く届くようになりました。フォルダ構成もわかりやすく、検索・プレビューも高速で目的のファイルが見つけやすくなったと好評です」と小柳氏は話しています。

LIXIL住宅研究所では、今回構築したアイフルホーム向けの情報発信・ファイル共有プラットフォームの仕組みを他のブランドにも展開することを検討しており、加盟店サポートの情報基盤としてFileBlogのさらなる活用を図っていく計画です。