ポイント

鉄道電気技術に関する調査研究や教育などを行う日本鉄道電気技術協会は、会員向けの電子図書館の基盤システムとしてFileBlogを活用しています。研究会の報告書やセミナー資料、協会誌のほか、150年以上にわたる鉄道史とともに蓄積された多くの技術文書が共有され、鉄道事業者やメーカーなどの技術向上に役立てています。

鉄道技術の進歩に貢献する日本鉄道電気技術協会

1990(平成2)年に設立された日本鉄道電気技術協会は、鉄道電気技術の進歩改善に関する調査研究及び普及、鉄道電気関係者の技術向上、鉄道電気設備の良質化を目的に、安全安定輸送に貢献する様々な活動を行っています。鉄道事業者やメーカーを中心とした団体正会員は463社、個人正会員は16,075人にのぼり、協会が実施する調査研究や講習会などを利用して技術向上に取り組んでいます。

協会では、鉄道事業者の専門家や学識経験者で構成する研究委員会などにより、会員からの受託調査研究、会員との共同調査研究、協会の企画による自主調査研究を実施するほか、電力、信号、通信の3分野において、鉄道電気技術者向けの技術講習会を開催しています。講習会では、座学だけでなく実技にも力を入れ、会員の技術習得をサポートします。また、月刊の協会誌「鉄道と電気技術」の発行も協会の重要な仕事です。設立当初から会員に対して最新技術情報の提供を続けています。

会員の技術向上を支える電子図書館

現在運用中の電子図書館は、技術資料を公開して会員の技術向上を支援するため、ファイルサーバ全文検索システムのFileBlogを利用して構築されました。自主調査研究報告書、技術委員会報告書、協会誌など約6,000冊の文書・図書を登録・公開しており、会員はインターネット経由で自由に閲覧できます。

たとえば、会員共通の技術課題が出てくると、協会主催で研究委員会を開いて、課題解決を図るためのワーキングを実施します。こうしたワーキングの報告書も電子図書館で共有され、会員にとって非常に利用価値の高いものとなっています。

また、協会誌や各種セミナーの配布資料、毎年開催される「鉄道技術テクニカルフォーラム」の発表資料も電子図書館でよく閲覧されるほか、協会で所蔵する古い技術図書にも需要があります。JRにおける国鉄時代の設備や私鉄の古い設備の記録、また当時の規定や法的根拠などは、現在の工事においても確認の必要があり、当時の情報が記録されている図書が重要な手掛かりになります。電子図書館では新しい文書や資料はもちろんのこと、こうした古い図書も電子化して蓄積し、技術資産として次世代につなげられるようにしています。

電子図書館の基盤システムとしてのFileBlog

FileBlogは、文書の登録・公開が簡単で検索機能が優れている点が評価され、この電子図書館の基盤システムに採用されました。管理者と閲覧者とでアクセス権を分けて運用し、管理者はフォルダを作成してファイルをドラッグ&ドロップするだけで文書登録でき、文書は自動で検索インデックスに登録されます。閲覧者は直感的なキーワードによる全文検索とわかりやすく構成されたフォルダ階層表示によって、検索でも一覧からでも目的の文書が見つけやすくなっています。文書は電子図書館の画面で閲覧できるようになっていて、必要であればダウンロードすることもできます。

日本鉄道電気技術協会では、電子図書館の利便性を向上させるため、FileBlogの機能を拡充する予定です。あらたにOCR機能を利用して、スキャナーでPDF化した過去の文書もインデックス化することで、全文検索機能を強化します。検索効率やヒット率が上がり、電子図書館の利用価値がさらに高まるものと期待されています。


一般社団法人 日本鉄道電気技術協会
www.rail-e.or.jp
所在地:東京都台東区上野2-12-20 NDKロータスビル2階
事 業:交協会誌「鉄道と電気技術」の発行、調査研究、技術協力、講習会、図書の刊行、研究発表会など

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