情報化の進展によって個人が負わされる情報管理の負荷を軽減します。

 20世紀末における情報技術のめざましい発達は、急速な情報の流動化の進展という構造的変化を社会にもたらしています。

 本来ITは人間の仕事を楽にしなければいけませんが、急激な情報の流動化の結果、組織内の知識労働リーダーを中心に、一部の個人は過酷なまでの情報処理負荷の集中にさらされ、新たなボトルネックとなっています。

 このような「ITがもたらした新たな問題」に対し、「ITを活用した新たな解決」を提示すること。それが私たちの社会的使命です。

創立二十周年メッセージ

2020年7月追記

おかげ様で、東京オリンピック開催の今年7月、鉄飛テクノロジーは創立満20周年を迎えます。鉄飛テクノロジーの企業理念「情報化の進展によって個人が負わされる情報管理の負荷を軽減します」は、この二十年変わっておりません。まだまだ終わりなき道だと思いますが、私たちなりのやり方の文化というものは、いつの間にか出来てきたように思います。これがいつまでも続くのか、変わっていくのか、それも楽しみです。

データでもロジックでもないモノづくり

20年前に会社を設立した動機は、全く合理的なものではありませんでした。

明治生まれの私の曽祖父たちが発明家兄弟として事業を起こし大正時代に自動織機を並べた工場を経営していた、という昔話をしてくれた祖母を亡くしたのがきっかけで、サラリーマンを辞めて家事手伝い兼発明家をやろうと思い立ったのが1999年の7月のこと。恐怖の大王は来ませんでしたが、没落した実業家一族のDNAに百年ぶりに再起のチャンスがめぐってきたのです。

当時コンサルタントとしてお客様のITプロジェクト企画などに関わっていた私は、常に「データに基づいて、ロジックを組み立てて、あるべき道筋を示す」という仕事の毎日でしたが、理屈抜きでソフトウェアプログラミングに没頭することを2年ほど離れた禁断症状と、思い通りの答えが出せないストレスとで、すこしおかしくなりかかっていました。

企業はどう進めばよいのか?私たちはどう生きればよいのか?

それって、データを集めれば論理的に導き出せるようなものでしょうか?

いまの私は、そうは全然思いません。

客観的な「状況」から物理法則のように厳格なロジックによって最適な「答え」が見つかるというよりも、わけのわからない人間の感性に発する「思い」が出発点となって世の中が動く方が面白いと、やはり思うのです。

コンサルタントの仕事というのも、お客様のキーパーソンの「思い」を実現するという目的が最初にあり、そこにいたる「道筋」をロジックで組み立てるために、都合の良いデータを「材料」として探すことの方が多いものです。若かりし頃の自分にとっては、お客様が「答え」を求めていないことを受け入れるのがストレスでしたが、それでもまあ、いいではありませんか。

欲しいから作る。それで人を助けられたら嬉しい。

組織から独立し、自分でモノづくりを始めてからというもの、鉄飛テクノロジーでは、お客様の要望する機能を常に付け加えながら製品を改良してきましたが、どんなときも「自分たちが欲しい製品」という軸からぶれることはありませんでした。

欲しいものを作る。できた物で困っている人を助けたい。それで生活できることは本当にありがたいことだと感謝しています。しかし、私たちのような少人数の開発チームにとって、自分たちが日常的に使いたい機能を優先的に実装するということは単なるワガママではありません。自分たちが使い続ける機能は「作って売っておしまい」になることはなく、継続的に改善しつづけることができます。

売って売りっぱなしの売り逃げ製品は、みんなを不幸にするでしょう?

お客様の声も大切ですが、それに先回りできるぐらいに自分たちの感性を研ぎ澄ますことができないと、振り回されてしまいます。原則として欲しいものを作ることは、将来にわたってサポートし続ける責任を果たすためには、むしろ必然ですらあるのです。

丸(〇)の数より二重丸(◎)にこだわります

私たちの製品は、お客様の要望を取り入れてきた結果として多機能ですが、機能比較表の丸の数を増やすためだけに実装した機能はありません。それよりも、一つの機能の丸を、二重丸そして三重丸にすることができないかと、いつも模索しています。こんなところに労力をつぎ込むのは、私たちがたった一つの製品を十何年もかけて何百社ものお客様に売っているパッケージソフトウェアメーカーだから。一つの機能の改善で喜ぶユーザが何万人もいると知っているからです。

マウスの移動距離を何ミリメートル短くできるか?クリック回数を何回減らせるか?画面表示速度をコンマ何秒短縮できるか?そんなところに、何千時間も労力をつぎ込んできました。その違いを体で感じてください。

パッケージ製品の魅力は、こだわりが報われる、そこにあります。

未来は、いずれにせよ、過去にまさります。一緒に楽しい未来を作りましょう。

会社概要