スマートデバイスでWindowsネットワークを活用する鍵は?
なかなか進まないスマートデバイスのビジネス利用
近年、タブレットPCやスマートフォンの普及が急速に進みました。
これらのいわゆる「スマートデバイス」は、従来のノートPC以上に携帯性にすぐれ、またモバイルネットワークと相まって、「どこにいてもすぐに情報を閲覧できる端末」として非常に便利なデバイスです。
しかしながら、企業での活用はまだ始まったばかりで、急速な普及期に突入したとはいいがたい状況です。なぜでしょうか?
Windows既存ネットワーク環境との相性が課題
インターネットにすぐに接続できるスマートフォンやタブレットでは、インターネット経由でクラウド環境のデータのアクセスを得意としています。しかしながら、ビジネスで利用される既存の企業ネットワークは、歴史的にWindows ネットワークが中心となっており、スマートデバイスから直接利用することは簡単ではありません。
近年、Windows 8 の登場によって、Windows OSを搭載したタブレットが発売されるに至って、事態は改善の方向にむかいつつありますが、スマートデバイスのOSとWindowsネットワーク環境の相性の悪さは、依然として存在しています。
中でも最大の課題は、iOS や Android OS のスマートデバイスにおいては、Windows共有フォルダにアクセスする機能が標準機能としては提供されないことでしょう。
企業内Windowsネットワーク利用のために必要な機能
ほとんどの企業の社内ネットワークは、WindowsサーバとWindowsPCで構成される、Windowsネットワーク環境として構築されています。このWindowsネットワークを利用するには、特に下記の4つが重要です。
- 安全なネットワーク接続
- Windowsドメインでのユーザ認証
- Windows共有フォルダへのアクセス
- Office文書・PDFなど主要なファイル形式の閲覧
この記事の内容
本記事は、上記の1~4を、FileBlogとVPNの組み合わせによって実現する方法について説明します。
ファイルサーバへのリモートアクセスの目的に応じて、様々な構成が考えられますので、代表的な方法の概要を紹介します。
VPNとFileBlogで作る、Windowsファイルサーバ・リモートアクセス環境
スマートデバイスを持ち歩いて、外出先のどこからでもファイルサーバにアクセスできるようにする環境は、FileBlogを用いて構築することが可能です。典型的な環境のイメージは下記の通りです。
リモートアクセスVPNの構築イメージ
前項の4つの要件は、以下のようにして実現されています。
要件 | 実現方法 |
---|---|
1)安全なネットワーク接続 | VPNを構築して実現します。 |
2)Windowsドメインでのユーザ認証 | ドメインに参加したFileBlogサーバにより、ドメインユーザの認証が行われます。 |
3)Windows共有フォルダへのアクセス | FileBlogにより、ブラウザ上のWebアプリとしてフォルダアクセス機能が提供されます。 |
4)Office文書・PDFなど主要なファイル形式の閲覧 | FileBlogは主要なファイル種類のファイルについて、サムネイル画像やプレビュー画像を作成します。 |
接続手順のイメージ
インターネットに接続されるスマートデバイスから、社内ファイルサーバに接続する手順は下記の通りです。
- インターネットを介してVPNアクセスポイントに接続します。
- VPN接続用のユーザID、パスワード、秘密鍵などの情報を入力して、VPN接続を確立します。(通常はこのうち秘密鍵などは端末に記憶させ、パスワードだけ接続の都度入力します。)
- ブラウザで、社内LANに接続したときと同様のURLでFileBlogサーバに接続します。
- FileBlogのログイン画面で、WindowsドメインのユーザID・パスワードを入力して、FileBlogにログインします。
- FileBlogのWebアプリケーションを通じてファイルサーバを参照します。