Ver.3.10の新機能に「ZIPファイル圧縮」機能があります。Windowsエクスプローラと同様に、フォルダを選択して「圧縮」とすることでZIPアーカイブを作成することができます。今回は、本機能が開発された背景や、利用メリットについて説明します。
WindowsエクスプローラのZIP圧縮の問題
ZIPアーカイブを作成する機能は、Windowsエクスプローラにも標準で備わっています。
しかし、ネットワーク越しに行う大量のファイル操作には、原理的に遅いという問題があります。
Windowsエクスプローラは端末PCで動作しますが、データはファイルサーバ上にありますから、大量のファイルを圧縮する際には、サーバ⇔クライアント間のネットワーク上を大量のデータが往復することになります。これによりネットワーク・パケットが渋滞状態となって、同一ネットワーク上の全ユーザのファイルサーバアクセスが重くなってしまいます。
大容量のフォルダを日常的に圧縮&展開するお客様からのご要望により、鉄飛テクノロジーではこれらの問題を解消するためにFileBlogのZIP圧縮機能を開発しました。
FileBlogのZIPの特長
- サーバ上で圧縮するため、端末ネットワークへの影響が小さい
ZIP圧縮に関わる通信はFileBlogサーバとファイルサーバの間に局所化されるため、
サーバ間のネットワーク帯域を十分にとれば、端末PCのネットワークへの影響を
最小限にできます。特に、遠隔地の端末から操作する場合には、大きな違いを実感できます。 - ZIP64形式で、大容量ZIPを作成可能
ZIPファイルフォーマットの当初規格には
アーカイブに含めるファイルの(圧縮前)サイズは4GBまで、
作成されるZIPファイルのサイズは2GBまで
という限界があり、Windows XP以前のエクスプローラや多くの
サードパーティ製アーカイバではこの制限が今でも残っています。この制限を越えたアーカイブを作成できるフォーマットとして
「ZIP64フォーマット」があり、Windows Vista以降のエクスプローラが
ZIP64に対応しています。
FileBlogもZIP64形式に対応し、巨大ファイルを含む巨大アーカイブの作成が可能です。 - Mac OSで圧縮したファイル名を文字化けせずに取り出せる
Mac OSとWindowsでは文字コードの扱いに若干の違いがあります。
日本語名称のファイルを含むZIPアーカイブを展開したときに
ファイル名が文字化けする問題を防止するように、対処しています。
大量データ操作の注意点
ファイル操作は、ログインユーザの権限で行われます。
ZIPアーカイブの作成や展開、フォルダ・ファイルの移動やコピーなどで多数ファイル・大量データが関わる処理には長時間を要することがありますが、処理が実行されている間はログイン状態を維持し続けて下さい。
- 途中で明示的にログオフすると、実行中の処理は中止され(異常終了し)ます
- 画面操作なしで一定時間経過した場合にも処理は中止されます
明示的にログオフしなくても、画面操作なしで時間が経過すると、暗黙のログオフが行われ、そのときに実行中の処理は中止されます。
この問題を回避するため、セッションタイムアウト時間が20分に設定されている場合には、20分以上かかる処理を行わないようにお願いします。また、セッションタイムアウト時間を短くしすぎないようにお願いします。
- 統合認証ログインのセッションでは時間のかかるファイル操作を避けて下さい
ログイン画面からユーザID・パスワードを入力して明示的にログインした場合には
画面操作を行う都度、セッションの寿命が自動延長されますが、統合Windows認証によって自動ログインしている場合、セッション有効期限はFileBlogサーバ側でコントロールできません。いつの間にか切れて、ブラウザがいつの間にかつなぎ直すようになっています。ただ、この「切れて、つなぎ直す」瞬間が、処理の途中に発生すると問題が発生します。
統合認証ログイン時には、時間のかかるファイル操作を避けるようお願いします。