「ペーパーレス化で挫折しないためには?」「ドキュメントスキャナによるペーパーレス運用(自社)事例(ScanSnap iX1500)」では、ペーパーレス化企画の失敗例と自社事例を紹介しました。
本記事では、お客様でのペーパーレス運用成功事例を紹介するとともに、その成功要因を分析してみます。
事例1)受付センタのペーパーレス化
FAXおよび郵送で届いた、申込書・発注書の受付業務をペーパーレス化したお客様がいらっしゃいます。
対象文書と業務特性
- 全国からの申し込みが1か所のセンタに集中しますが、顧客対応は全国各地の拠点で行います。
FileBlogによるデータの整理方法・活用方法
- 受け付けた申込書はスキャナで取り込んでPDF化し、ファイルサーバに保管します
- 年月のフォルダの中に、申込番号別のフォルダを作成して、スキャンしたPDFをその中に保管します。申込書に添付文書があれば、同じフォルダに保管できます。
- 申込番号のフォルダの属性として、エリア・担当支店などの固有情報を付与します
FileBlog導入+ペーパーレス化の効果
- 受付センタで受け付けた申込書のPDFを、全国各地の拠点や、サービスマンの出張先から、モバイルPCやタブレット端末で参照することが可能です。従来は申込の事実をサービス現場に伝達するために、FAXや電子メールによって転送する必要がありましたが、その必要がなくなりました。
- 納品後にサービス問い合わせが発生した時には、しばしば当初の申込書原本を確認したいことがあります。紙で申込書を保管していた従来は、受付センタ側で探す必要がありましたが、電子化したことにより、現場担当者が直接ファイルサーバにアクセスして、瞬時に検索することが可能となりました。
事例2)サービスセンタでのメンテナンス履歴のペーパーレス化
不動産管理の現場において、物件の点検・保守記録のペーパーレス化を行ったお客様がいらっしゃいます。
対象文書と業務特性
- 火災報知器・消火器・エレベーターなど法令で義務づけられている定期点検について、物件別に記録を蓄積して保管する必要があります。監督官庁からの指摘などによって監査の必要が生じた場合には、各物件の点検記録をすぐに参照する必要が生じるため、物件番号や名称による検索が発生します。
- 全国の現場スタッフが、手入力で紙に記録し、これを各地の支店でスキャンしてPDF化してから電子メールで送信したり、直接FAXを送信したりして、本社のサービスセンタにイメージデータを集めるようになっています。
FileBlogによるデータの整理方法・活用方法
- 電子メールで支店から受信した点検記録のPDFファイルは、サービスセンタのスタッフによってファイルサーバ上の物件フォルダに登録されます。
- FAXで支店から受信し、複合機の機能によってPDF化されたファイルも、サービスセンタのスタッフによって物件フォルダに振り分けられて保管されます。
- 物件フォルダのフォルダ名は、物件番号に基づいて付与されているため、物件番号をキーにファイル名検索を行えば物件フォルダが瞬時に見つかります
- 一方で、物件フォルダの属性として、物件名称・住所などが与えられるため、物件番号がわからなくても名称や住所を手掛かりに全文検索を行うことで、物件フォルダを発見できます。
FileBlog導入+ペーパーレス化の効果
- 書庫に保管された原本を参照することなく、点検記録にアクセスできるようになったため、監査対応が早くなりました。
- 支店スタッフも本社に問い合わせることなく、Webブラウザを介して記録を直接照会できるようになり、本社サービスセンタの事務負荷が軽減されました。
事例3)工場内の作業指示書・チェックリストのペーパーレス化
工場内での作業指示書・作業チェックリストなどの標準文書の配布を、紙媒体からタブレット端末(iPad)によるPDF閲覧に切り替えたお客様がいらっしゃいます。
対象文書と業務特性
- 扱い品目が多岐にわたる、多品種少量生産型の製造現場では、多数の製品型番ごとに用意された作業手順書や品質チェックリストなどの文書を、一日に何度も切り替えて作業します。このための標準文書類は、従来は紙に印刷され、クリアケースやバインダーにいれられて、工場内の複数個所のキャビネットに備え付けられていました。
- 文書を追加したり改訂したりする都度、複数個所のキャビネットに文書を配布する必要があるので、その業務量が現場の負担になっていました。
- 複数工程を経てひとつの製品が製造されるため、複数個所のキャビネットに同じ文書の複製を配置する必要があります。
- 複数部の印刷と差し替えは、骨の折れる作業であるうえ、紙なので物理的な破損・紛失も避けられません。
FileBlogによるデータの整理方法・活用方法
- 標準文書フォルダをFileBlogで社内LANに公開し、WiFiルータ経由でiPadからアクセスするように、紙媒体とキャビネットによる運用から切り替えました。
- 製品型番がフォルダ名に反映されているため、型番でファイル名検索することで、瞬時に当該製品に関連するドキュメントが見つかります。
電子化の効果
- 標準文書の改訂は、電子データをファイルサーバに書き込むことで完結し、印刷ならびに差し替えは不要となりました。
- キャビネットからクリアフォルダーやバインダーを探し出す手間もなくなりました。
まとめ)FileBlog導入+ペーパーレスが効果的となる条件は?
ペーパーレス化の試みが成功する条件は何でしょうか?特に、ファイルサーバ検索エンジン・Web閲覧エンジンであるFileBlogとの組み合わせにおける成功要因は何でしょうか?これまでの事例を分析して浮かび上がったキーワードのは「分散」です。
お客様の「ペーパーレス化」という業務改善テーマの一断面に、私たちの検索システムが役に立つのかどうか?ぜひ、下記のような点にご注目ください。
文書アクセスの時間的・地理的分散があるか?
- 時間的分散 ― 長期保存を経て、将来のどこかのタイミングで再び参照される文書であれば、FileBlog+ペーパーレス化によって、将来の検索時の検索スピードが上がることが期待できます。
- 地理的分散 ― 複数の拠点のユーザから参照される文書であれば、
FileBlog+ペーパーレス化によって、ネットワーク越しに共有することで、データの複製や転送、問い合わせ・検索の取次などの業務が削減されると期待できます。
文書アクセスのスピードに大きな価値があるか?
- 二度とアクセスされない文書の保管であれば、検索システムの出番はありません。
- (時間的・地理的な壁を越えて)いつか誰かがアクセスするから、その時のスピードに価値があるからこそ、検索エンジンの導入に意味があるのです。